被災地からの心の叫び

今日は、「被災地に住む私だからこそ書ける、被災者の本音」を、被災していない地域の方々に向けて書いてみたいと思います。


＜感謝＞
「被災して辛い思いをしている人がいるのに、自分達だけ楽しむなんてできない」と、日本全体に自粛ムードが広がっています。また、「被災者のために何かしたいけど、何もできなくてもどかしい」という声をよく聞きます。
でも被災者にとっては、自粛してもらえるだけで十分嬉しいです。そこまで気を使ってもらえるなんて、申し訳ないぐらいに思っています。自粛も、被災地支援の行動の一つであると、私は思っています。
というわけで、被災地以外にお住まいの方は、そろそろ日本経済のためにも自粛を自粛してもらえればと思います。

＜首都圏の皆様へ＞
今回の地震では首都圏にも被害がありましたが、被災していない首都圏の皆さんは、過度な自粛はせずに、早く普段通りの生活を取り戻してください。
首都圏が元気になれば、東北に住む私達も「よし、今度は東北の番だ！」と希望が持てます。でも、首都圏が元気ないままだと、「首都圏がまだこんな状態じゃあ、東北の復興はまだまだ先だな…」と思ってしまい、暗い気分から抜け出せないのです。
ですので首都圏の皆様、もう東北に遠慮はせず、今まで通り日々の生活を楽しんでください。

＜疑問＞
被災地への激励の言葉でよく「一人じゃない。みんながついている」というのを耳にしますが、津波で家族も友人も失った人がこの言葉を聞いて本当に励まされるのだろうかと考えると、ちょっと疑問に思います。私ぐらいの被災の程度であれば、心強い言葉として受け取れるのですが。
もう一度、よく考えてみてください。

＜チャリティーイベント＞
今、全国でチャリティーイベントが行なわれています。
芸能人からプロ野球選手まで、自ら募金箱を持って募金を呼びかける募金活動は、被災者としては大変ありがたい事です。
ただ、憧れの芸能人やプロ野球選手を間近で見たり、そういう人達と握手ができる機会なんて、普段はまずありません。そういう意味では、この一連のチャリティーイベントというのは、ファンにとってはたまらない夢のようなイベントでもあります。
しかし、被災者はこのようなイベントに行くことができません。
憧れの人と触れ合えるのは募金をしてくれた人への特典であり、ねたんではいけないとわかってはいても、それでもやっぱり悔しい思いをしている被災者は、たくさんいると思います。
募金活動自体は嬉しいけど、被災者が悔しい思いをするようなイベントはもうあんまりやらないでほしい！という複雑な心境。これが被災者の正直な気持ちです。

＜東京都民の皆様へ＞
今度の東京都知事選に、震災直後「津波は天罰」との暴言を吐いた候補が出馬します。
被災地では、誰もがこの発言には怒り心頭です。
私はもうこの人の顔も見たくないし、名前も聞きたくありません。
こんな人には絶対に当選してほしくありません。
ところが、どうも現段階ではかなり有力なようです。
首都圏では、もうこの発言は風化されてしまったのですか？
それとも、やっぱり被災していない地域では、今回の震災は他人事なのですか？
「被災者のために何かできる事をしたい」と思ってくださる都民の方に、お願いです。
この人に投票するのだけは絶対にやめてください。本当に、お願いします。
これは被災者の総意です。
本来、ブログでこういう事を書くべきではない事は重々承知していますが、どうしても許せないので、書かせていただきました。



被災者の本音を少しでも多くの方に伝えたくて、この記事を書きました。
一人でも多くの方に伝われば、幸いです。
多少過激な表現がありました点につきましては、お詫びいたします。

コメント 6

初めまして。
私も、例の発言には、怒り心頭しました。東京在住の親族にくれぐれもあの人に投票しないように言っておきました。
by ガンガンガン速 (2011-04-05 16:08) 

☆ガンガンガン速さん　
コメントありがとうございます。
そして、ご協力に感謝します。
私達被災者は、この候補があの発言のせいで落選するところを見届けないと気が済まないですね。そうなる事を、切に願っています。
by ガッキー (2011-04-05 21:10) 

被災者の本音は、俺にとっては貴重です。

自粛に走るのは、同情心からでしょう。
ただ、同情だけでは人間を助けられません。
被災地の商品を売るとか、収益金の一部を復興支援に充てるとか、やり様は有る筈です。
貴方のおっしゃる通り、もうそろそろ「自粛を自粛」する時です。

何もかも失った人にとって、今は「一人」かもしれません。
そんな人は沢山いると思います。
もしその沢山の「一人」達が一カ所に集まり苦楽を分かち合えば、どうでしょうか？
彼等は「一人」ではなくなります。
SMAPの復興CMには、そんな思いも入っていると思います。

チャリティーイベントに参加している有名人の中には、「被災地でやりたい」と思っている人も多いでしょう。
被災地が混乱しているから、今は活動の舞台が繁華街になっているだけで、もう少しライフラインが整えば被災地でイベントをする様になると思います。

震災の次の日に、都内在住の高校時代の友人……、いや友人だった連中数人と会合に行きました。
今ではその場に行った事を、非常に後悔しています。

彼等の話には、被災者に対して惨い部分が目立ちました。
とてもじゃないがここで書ける内容ではありません。
都民がこんな奴等ばかりなら、例の候補が有力になるのも分かる気がします。

彼等はもう、俺の友人ではありません。

残念な奴には残念な連中がついて行くものです。
そんな連中なんか置いて行きましょう。
by 蹴球solzinho (2011-04-05 23:43) 

こんにちは。本音を伝えていただきありがとうございます。

私も自粛ムードには賛成できませんね。ただでさえ経済が落ち込んでいますから、このまま自粛が続いていけば更に追い打ちをかけるのは必至です。

私が言うのもおかしいですが、あとひとつ皆さんに伝えたいとすれば、「正しい情報とそうでない情報の区別をしてほしい」ということですね。

例えば、水道水や野菜・魚などから放射性物質が検出されていますが、現状ではそれを毎日食べ続けない限りは全く影響ありません。それから、電気はためることが非常に難しく、電力に余裕がある時間帯に過剰な節電をしても意味はほとんどありません。節電をするなら、夕方の電力需要が多い時間でやらなければ無意味といってもいいでしょう。

東京都知事選挙について語ると長くなりそうなので控えますが、そもそもあの方は出馬しないはずでした(自分で多選を批判している)。それが周りの圧力で簡単に出馬になったということは、いかにその方の信念が軽いものであるかがわかった気がします。


長文失礼しました。
by 湘南ライナー (2011-04-06 14:38) 

☆蹴球solzinhoさん　
コメントありがとうございます。

正直、地震直後の自粛は、嬉しかったです。
食料を買うのも水を確保するのも大変で、しかもそれがいつまで続くかわからないという不安の中で、生きていくのに精一杯という状況でしたから、そんな時に被災していない人達が楽しい思いをしていたら、恨みたくもなっていたでしょう。

でも、もう自粛は終わりにしていいと思います。そういう時期に来ていると思います。これから、被災地では苦しみを乗り越えて復興をしていかなければなりません。そんな時に相変わらずテレビから震災向けに作ったＣＭが流れていたり、被災者へのお見舞いメッセージを添えたバラードばかりの音楽番組が放送されていては、気が滅入ってしまいます。これからは、被災者が元気になれるようなＣＭや番組が必要だと思います。

そういう意味では、本当に被災地に住んでないと、その切り替えのタイミングってわからないと思います。また、被災の程度によって、人それぞれ感じ方も違うと思います。私の会社でも、水道やガスの復旧は早い人もいれば遅い人もいます。私の家はまだガスが復旧していませんが、早々と復旧した人は「そろそろみんなで飲みに行きたいね」などと言っていました。でも私はガスが復旧するまでは、どうしても飲みに行く気にはなれません。その一方で「飲まないとやってられない」と言って、ガスが復旧していないのに飲みに行く人もいます。もうこうなると、価値観の問題になってきますけどね…

だから、ＣＭでのメッセージはホントに難しいですよね。ただ、メッセージを素直に受け取れなくても、被災者を気遣ってくれてるなという思いは感じ取っていますけど。

被災地でのイベントも、復興したら是非いろいろと実施してほしいですね。今はまだ早いですが。もう少し時間が必要です。

さて、今被災地では県外ナンバーの野次馬の車が多い事が少々問題になっています。
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110406k0000m040070000c.html?inb=ra

言葉は悪いですが、こういう人達は実際に自分が被災してみればいいんです。そしたら、とてもこんな事できなくなりますから。
by ガッキー (2011-04-06 21:24) 

☆湘南ライナーさん　
どうも今被災地以外の地域では、何か楽しいイベントをやろうと提案しようものなら「こんな時に不謹慎だ」と批判されるケースが多いようですね。それで、みんな他人の目を気にして、自粛してしまっていると。これは自粛じゃなくて萎縮だと、何かの記事で読みました。（上手い表現ですよね）

自粛ムードになってしまっているのには、テレビの影響も大きいと思いますが（特にＣＭの自粛が）、一人一人がだんだんと普段通りの生活に戻して行けば、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。是非実践してみてください。

放射性物質に関してはホントにナイーブになっている人が多いですよね。福島県の農家の実情を聞くと、本当に辛いです。私は福島県産の野菜が売ってたら是非買いたいと思ってますよ。（でも売ってないんですけど）

電気の事は知りませんでした。
そういう情報はほとんど報道されていない気がしますね。

都知事選ですが、例の人に圧力をかけるほうもかけるほうですね。せっかく本人が出馬しないと言ってたのに、そんな事するからまた調子に乗っちゃうんですよ。まああの発言はそれ以前の問題ではありますけど。
by ガッキー (2011-04-06 21:41)